前回の記事の続きです。UFOが目撃された時間と方角はほぼわかりました。ここからはUFOの正体の検証に移ります。

まずは以下の画像をご覧ください。これは番組で放送されたUFO映像の一部です。

「ビートたけしの超常現象(秘)Xファイル」より

画質が悪くて恐縮ですが、地デジの画面で確認できたUFOは、基本の白色の他に、赤、ピンク、緑といった色も見られ、鮮やかでした。また単独のものもあれば、三つや二つにつながっているものもありました。形状はどれも小さな球体です。

これらから推測されるUFOの正体は何でしょうか。最も可能性が高いと思われるのはバルーン(風船)です。なかでも結婚式などで式を盛り上げる演出として行われるバルーンリリースが有力です。

バルーンリリースで使われる風船は色も白、赤、ピンク、緑、黄色といったものが多く、数も華やかさを演出するために多いのが一般的です。また糸で複数が結びつけられている場合もあります。つまり、バルーンと目撃されたUFOは、その特徴がよく一致するわけです。

しかし、これだけではまだ根拠として弱いかもしれません。そこで、11月30日にバルーンリリースを行っていた式場の調査、ならびにバルーンの飛行方向を検証してみます。

バルーンの検証

テレビ朝日周辺の結婚式場へ問い合わせたところ、11月30日にバルーンリリースを行っていた式場がひとつ見つかりました。テレビ朝日の屋上から南東の方角に150メートルほど離れた六本木の結婚式場です。

ここでは、当日の午後2時~3時頃にバルーンリリースを行っていたといいます。正確な時間は残念ながら不明ですが、おそらく式の後半、2時30分以降だったのではないでしょうか。

その頃の風向きは気象庁のデータによれば南東もしくは南南東、風速は3.4~2.4メートルでした。ということはリリースされたバルーンは北西、もしくは北北西に移動したと考えられます。

そうしますと上の図のようにバルーンが移動した先はテレビ朝日の北側になりますから、最初の目撃報告とほぼ一致します。また風向きは高度があがるにつれ、徐々に上空を吹く西風の影響を受けるため、風向きは西になっていきます。つまり高度が上がっていくと移動する方向は東になるわけです。

テレビ朝日から見て北の空にあるバルーンが東に移動すれば、それは北東方向に移動しているように見えたと思います。そのため、風向きから予想されるバルーンの動きと目撃されたUFOの動きはほぼ一致していると考えてよさそうです。

ただし、ここで注意しておかなければならないのは、バルーンは全部が同じ方向に移動するのではなく、ある程度ばらつきも見られるということです。1999年に神戸で行われたバルーンの飛行調査実験によれば、バルーンは必ずしも直線的に動くわけではなく、旋回するような動きを見せるものもあったといいます。

ですから、テレビ朝日で最初に目撃されたUFOがバルーンだとすると、それはおそらくリリースポイントから北の空へ最短で移動した最初のもので、それ以降にカメラで捉えられていったUFOは、少し遅れたもの、違うルートでちょっと遠回りしたもの、さらには旋回してかなり遠回りしながら遅れてきたものなどだったのではないかと思います。

もちろんこの場合、2時50分頃に目撃されたバルーンが4時すぎまで見えていたということはなかったはずです。最初のバルーンはもっと早い段階で東の空に移動し、見えなくなっていたと考えられます。カメラが捉えていたUFOは、ずっと同じものではなかった可能性が高いです。

実際、番組の映像を見ますと、新しくUFOが増えた際にそちらを追って前のUFOは画面から外れてしまっている場面が確認できます。また屋上に出演者が集まった際にも、カメラマンがカメラを移動する際に何度かファインダーから顔を外している場面が確認できます。おそらく時間帯によってそれぞれ違うバルーンを捉えていたのだと思います。

ただ最後に疑問が少し。リリースされたバルーンは北の空に現れるまでなぜ目撃されなかったのでしょうか。実はこの点については式場がテレビ朝日の屋上からみて死角にあったことが影響しているようです。下の画像をご覧ください。

画面右下に見える赤丸が式場の場所です。対して、撮影が行われたテレビ朝日の屋上は画面中央付近の黄色で示した半円状の場所です。ここは背後に2階~3階くらいの白い建物が建っており、東南東から西南西にかけての範囲は死角になって見えません。

さらに番組を確認しますと、武良さんとカメラは北の空(画面上)をよく向いており、韮澤さんは西側を向いてモニターをご覧になっていることが多かったようです。

そのため、こういった状況で死角になる南東の方角にてバルーンリリースが行われても、まず気づかないのではないかと思います。しかもバルーンは最初は上に向かってあがっていきますから、北側の視界に入るまでには死角になっていることも多かったのではないかと思います。

さて、検証は以上です。結論としましては、やはりテレビ朝日で目撃されたUFOはバルーンの可能性が高い、というものです。

これは最も近場で目撃された韮澤さんや武良さんのお考えとは異なるかもしれません。ですが、たとえ結論は違えど韮澤さんはUFO目撃時の記録を詳しく残してくださいました。そこに少々誤りが含まれてあったとしても、今回の検証にあたって有益であったことは間違いありません。

また今回の調査のきっかけを与えてくださった益子祐司さんにも大変お世話になりました。最後になりますが、お二方には感謝申し上げる次第です。