本城です。

9月6日に北海道で大きな地震が発生しました。こうした大地震が起きると必ず出てくるのが、「○○地震は予言されていた」という主張です。

今回もありました。(いずれTOCANAでも記事になるはずです)
https://www.tankyu3.com/entry/2018/09/06/mukawa

松原照子さんの予言が的中したというのは本当でしょうか? 確認してみましょう。
まず、元記事では取り上げられていませんが、実は松原さんの2016年4月29日の世見では、地震の話の前に2つの予言が書かれていました。

最初が「日本の今年の台風の発生数は少ないかもしれない」という予言です。これは7月1日の世見でも、ひとつも上陸しない可能性に言及するなどしていたものです。

実際はどうだったのでしょうか。幸い、気象庁に記録があります。それを確認すると、2016年の台風発生数は26(平年値25.6)日本への接近数は11(平年値11.4)上陸数は6(平年値は2.7)でした。
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/index.html

発生数、接近数はともに平年並みで、上陸数は平年の倍(6という数は1951年以降2位タイの多さ)です。

世見でこの台風のあとには、「雲仙岳の噴火により日照不足で作物が育たない」という予言が続きます。けれども雲仙岳は噴火しませんでした。

さて、その後にようやく出てくるのが地震の予言になります。元記事だけを読んだ方なら、「北海道」という地名だけがクローズアップされているように思えるかもしれません。

ところが、実際に松原さんの当日の世見を確認すると、その後に書かれている具体的な地名は、松代(長野県)えびの(宮崎県)日向灘(宮崎県)でした。北海道の具体的な地名はまったく書かれていません。

北海道の地名が出てくるのは5月7日の世見ですが、ここで「ムカワ」という地名が出てきます。今回の地震で震度7を記録した厚真町の隣にある町の名前です。

これだけ書かれると、何やらすごい予言があったように思えてしまいますね。ところが同じ日の世見に書かれていた地名は実はこれだけではなく、他にも富良野、苫小牧、夕張岳、大雪山、石狩、当別、十勝、根室といった地名があげられていました。これに隣接する地域まで含めていいならどうなるのでしょう。

地図を見ればわかるのですが、北海道の中央部に位置する大雪山の火山群を中心にして、道内地図上の中央部、左上、左下、右下、右の地域がカバーできてしまいます。

つまり北海道のどこかで地震が起きれば、予言が的中する可能性が高いわけです。さらにいえば、松原さんが具体的な地名をあげているのは、5月7日の世見だけではありません。

実は、もっと大量にあげているんです。ここでは2016年の熊本地震以降にあげられた地名(前述の地名以外)を列挙してみましょう。(日付は世見が書かれた日)

2016年5月2日
北丹(京都)、鳥取、福井、新潟、日本海側

2016年5月6日
東京湾(首都直下型地震)

2016年5月9日
神戸から新潟にかけての地域(慶長大地震クラス)

2016年5月10日
東京、横浜、伊豆半島、相模湾、東京湾、濃尾地方、三河湾(明応大地震クラス)

2016年6月1日
茨城沖、種子島、日向灘、関東甲信越(南海トラフ大地震に言及)

2016年6月4日
福島中通り、茨城沖から佐久(長野)にかけての地域、北茨城、下妻、八王子、清水、鹿島、千葉、横須賀、石廊崎、銚子、大島、相模灘

2016年7月1日
北丹、鳥取、福井、三河、丹野

2016年8月1日
千島海溝、日本海溝、茨城、千葉、埼玉、群馬、栃木、東京、神奈川

2016年8月10日
茨城、静岡、愛媛、茨城、千葉、東京、東海から四国の太平洋沿岸

2016年9月4日
日本海溝、相模トラフ、安芸灘、伊予灘、日向灘、阿蘇山周辺、九州、茨城、千葉、埼玉、群馬、栃木、福島、神奈川

2016年11月6日
宍道湖、鳥取、山崎、兵庫、淡路、香川、金剛山、和歌山、東海、東南海、関東甲信越

2016年11月12日
東海、東南海、茨城沖、千葉沖、日向灘、日本海側

2017年2月7日
日向灘、東南海、南海、茨城

2017年3月27日
北海道、宮城、福島、栃木、群馬、埼玉、東京、茨城、千葉、神奈川から四国

2017年3月29日
群馬、埼玉、東京、福島仲通り、浜通り、茨城、千葉沖

2017年4月19日
伊豆半島沖、西之島

2017年5月14日
伊豆、小笠原諸島、伊豆諸島、硫黄島

2017年5月23日
四国沖、鹿児島沖、日向灘、北海道、日本海溝、千島海溝

2017年6月11日
大阪湾から生駒山一帯、京都から奈良、金剛山、和歌山、鈴鹿(三重)、桑名(三重)、養老(岐阜)、恵那(岐阜)、伊勢湾、羽咋(石川)、御殿場(静岡)、埼玉、立川(東京)、三浦(神奈川)、塩沢(新潟)、村上(新潟)、那須(栃木)、黒松(宮城)、十勝(北海道)

2017年7月15日
松山、新居浜(愛媛)、鳴門(徳島)、淡路島、和歌山、周防灘、島根、琵琶湖

2017年9月2日
周防灘、伊予灘、日向灘、豊後水道

2017年9月5日
房総半島、別府、四国、淡路島、大阪、奈良、福岡

2017年10月2日
熊本、大分、茨城、千葉、福島沖、埼玉県から高崎(群馬)にかけての地域

2018年2月8日
日本海側、立川

2018年2月24日
茨城沖、千葉沖、福島沖、宮城沖、日本海側、千島海溝、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、十勝、根室、釧路、帯広、新庄盆地(山形)、糸魚川(新潟)、三浦半島、小田原(神奈川)、東京23区

2018年2月28日
広島沖、岩国沖(山口)、紀淡海峡(和歌山~兵庫)、鳴門海峡(兵庫~徳島)、日向灘、土佐沖、熊野灘、遠州灘、駿河湾

2018年3月25日
北方領土、根室、日高、千島列島、釧路、雌阿寒岳、摩周、十勝岳、白根山(群馬)、富士山

2018年3月26日
早霧湖(静岡)

2018年4月13日
愛媛、伊予灘、白臼湾(大分)、津久見湾(大分)、佐伯湾(大分)、佐田岬半島(愛媛)、高縄半島(愛媛)、東三方ヶ森(愛媛)、新居浜平野(愛媛)

2018年7月30日
日本海溝、別府、松山、香川、大阪、松阪、三河湾、長野、鹿島港

 

いかがでしょうか。たくさんありますね。松原さんが地名を書かれることは決して珍しいことではないとわかります。

松原さんは、こうした地域でいつ地震が起きるのか、明確に書くことはしません。ですから、解釈する人は年単位の誤差も許容することになり、地震大国の日本では高い確率で予言が当たったように思えてしまいます。

けれども、その実態は「下手な鉄砲も数撃てば当たる」です。過去の地震でもそうでした。松原さんが乱発した弾痕の周囲に、支持している人たちが後から的を描き、予言は的中していたと主張するのがいつものパターンです。

このやり方を続ける限り、大抵の地震予言は的中していたとみなせるでしょう。