本城です。

今回は、古代宇宙飛行士説を世界的に広めたエーリッヒ・フォン・デニケンを紹介します。まずは略歴から。

エーリッヒ・フォン・デニケン(Erich von Daniken/1935年4月~)

スイスの元ホテル経営者、実業家、作家。1968年に出版された『神々の戦車』(邦訳『未来の記憶』)、およびそれに続く『星への帰還 地球人はいかにして生じたか』、『宇宙人の謎 人類を創った神々』などの著書において、以下の古代宇宙飛行士説を展開。

  • 古代の建造物や加工物は、地球外の訪問者か、彼らから知識や技術を教えられた古代人がつくったものである。(ピラミッド、ストーンヘンジ、ピリ・レイスの地図、ほか多数)
  • 宇宙人による遺伝子操作の結果生み出されたのが人類。
  • 宇宙人や、その超技術は「神」となった。

この説は世界中で大人気となり、デニケンの著書は計26冊で、日本を含む世界20カ国語に翻訳され、6000万部以上を売り上げる大ベストセラーになった。


このようにデニケンといえば、60年代末~70年代にかけて古代宇宙飛行士説を世界中に広めた人物です。ちなみに、90年代にはグラハム・ハンコックが『神々の指紋』を世界的に大ヒットさせましたが、その内容は宇宙人を前面に出さないものの基本的にデニケンのネタと同じです。しかし、じゃあデニケンがこの説の元祖かというと、そういうわけではありません。

彼の本がベストセラーになる前には1950年代にも話題になっていますし、さらにさかのぼると超常現象研究の先駆者チャールズ・フォートや、19世紀の大霊媒マダム・ブラヴァツキーあたりまでいきます。

100年近く昔から繰り返されているネタなんですね。ほとんど進歩はしてません ミ(ノ_ _)ノ=3

そんなわけで昔からあった話ではありますが、デニケンはそれを世界的に知らしめることに成功。その点では大変な功績です。

しかしながら、有名になればその話は本当なのかと検証されるもの。デニケンの本も徹底的に検証され、その結果、様々な誤りが見つかり、中には捏造まで発覚。一番ひどかったのが、エクアドルの「謎の洞窟」に行ったときのエピソードです。

調査によると、そもそもそんな洞窟は存在しないことや、デニケンが洞窟内にあった黄金の財宝を撮影したという写真も、実は真鍮の模造品を撮ったものだということがバレたりしています。

でも、著書の中ではその誤りを絶対に認めないんですよね。何度も増刷されているので訂正する機会はいくらでもあるのにやろうとしない。このあたりは、さすがに不誠実だろうと思います。

なお、デニケンはスイスでホテルを経営していた1960年に詐欺で有罪判決を受けたことがありまして、その頃から7000万円近い負債を抱えていたといいます。しかしその負債もベストセラーでチャラ。

以降は作家のかたわら実業家としても活動し、2003年5月にはスイスで「ミステリー・パーク」(通称「デニケンズランド」)というテーマパークを開園。ところが翌年には早くも経営が悪化し、開園からわずか3年半後の2006年11月19日には閉園になっています。

作家としては商業的に大成功でしたが、実業家としてはイマイチだったのかもしれません。