国立国会図書館がパンク寸前

本城です。気になるニュースがありましたのでご紹介。

「国会図書館:パンク寸前…新刊急増、本のサイズも大型化」(現在リンク切れ)

記事によると、国立国会図書館の収容スペースが限界に近づいているそうで、「あと2~3年持つかどうか」とのこと。一応、書庫を新設する計画はあるらしいですが、完成するのは5年以上先になるとのことなので、それまで何とかして持たせるしかなさそうです。

国立国会図書館の書庫といえば、前にテレビで、書庫スペースが新館だけで地下8階分もあると紹介されていたことを思い出します。なんでも、建設時にこれ以上掘れない固い岩盤にぶち当たる限界まで掘ったら、それが地下8階分という日常ではなかなかお目にかかれない深さになったのだとか。

当初の予定では2017年まで収容可能だったのにもかかわらず、それが5年以上も早く限界に近づいてしまったのは、出版される本の数が激増していることが主な原因のようです。記事によれば20年前の倍になっているというのですから、そりゃ置き場所にも困りますわ。

ちなみに今回、調べている途中で初めて知ったのですが、国立国会図書館に納本する際には、無償ではなく、出版社側の負担を軽くするために定価の5割(+郵送の場合は最低の送料分)で買い取ることになっているんですね。
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/data_operat_03environment.html

一方、納本しなかった場合は定価の5倍の罰金を払わなければならないとのこと。ただ本当に罰金を取ってしまうと、これまた負担が大きいので、実際に罰金を取られることはないようです。

だから建前では「日本国内のすべての出版物が所蔵されている」はずなのに、たまに無かったりするのはこういった強制力の弱さが原因のひとつなのかもしれません。

とはいえ非常に入手困難で、稀に古本屋で見つけても数万円のプレミアがついてしまうようなレア本でも、国立国会図書館では所蔵していることはよくあります。しかも無料で閲覧可能。

特にオカルトのようなジャンルは、マニアックで入手困難なものも多いですから、国立国会図書館は心強い味方となります。(実際、来年出す予定の新刊の調査でも他のメンバーがお世話になっています)

おそらく収容スペースの問題や納本漏れの問題は、「日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する」という目標を掲げる限り、永遠につきまとう難題だと思います。しかし問題はあっても、その目標のお陰で実際に役に立っていますので、今後も何とか存続してほしいと願っています。

国立国会図書館がパンク寸前”へ2件のコメント

  1. ながぴい より:

    そのうちpdfとか電子図書化されちゃうんですかね?
    昔ならマイクロフィルム化とかもあったけど。

  2. 本城 より:

    そういえば、いずれ電子図書化しそうですね。紙媒体だと場所の問題だけでなく、劣化を防ぎながら保存するのに手間がかかるようですし。個人的には、保存さえしてくれれば、紙でも電子化でもどっちでも構わないですけど。

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