本城です。

今回は、これまた斯界の重要人物であるジェイムズ・ランディを紹介します。まずは略歴をどうぞ。

ジェイムズ・ランディ(James Randi/1928年~)

カナダ・トロント生まれ。1987年、アメリカに帰化。現在はフロリダ在住。元プロ・マジシャン。世界一有名な懐疑論者。子どもの頃に大事故を起こし、2度と歩くことはできないと医者に告げられたものの、その後、奇跡的に復活。治療期間中に読んだマジックの本をキッカケにマジシャンを目指す。

17歳のときに高校を中退してプロマジシャンの道へ。脱出マジックを中心に活躍。1956年に、密閉された棺桶の中に入ったまま水中に沈められ、どれだけ長い時間呼吸を維持できるか挑戦し、ハリー・フーディーニの持つ1時間31分の記録を破る1時間44分のギネス記録をつくる。

60年代中頃からはテレビのマジック番組で主役を務めるようになり、世界公演も行う。この頃から「The Amazing(驚異の)ランディ」と呼ばれるようになる。

1972年には、当時世界中で超能力者として騒がれていたユリ・ゲラーに挑戦を開始。76にはアメリカの懐疑団体「サイコップ」の創立に関わり、以降は中心メンバーとして活躍。

1986年にマッカーサー財団の「天才賞」を受賞し3000万円の賞金を獲得。他にもマジシャン、懐疑論者としての受賞歴は多数。

1990年には日本の『DAYS JAPAN』誌に載ったランディのインタビュー記事が名誉毀損にあたるとして、宿敵のユリ・ゲラーが東京地裁に提訴。アメリカ在住のランディは出廷しなかったため、93年に50万円の支払いを命じられる。(ただし結局は支払わないことになった。また訴訟費用の95%はゲラーが負担することに)

ゲラーは91年にもランディに対し約15億円の損害賠償を求めて裁判を起こす。サイコップに対しても裁判を起こしたが95年に訴えは退けられ、ゲラーは裁判費用など約1200万円の支払いを命じられた。

訴訟を避けるために、サイコップの幹部はランディに発言を慎むように求めるがランディは拒否。サイコップを脱退。しかし協力関係は維持していて、現在でもたびたび会誌に記事を寄稿。

60歳でプロ・マジシャンを引退してからは懐疑論者としての活動に集中。ピーター・ポポフという信仰治療を行う人気テレビ伝道師のイカサマ暴露や、超能力研究者はマジックと超能力の区別もつかないことを暴いた「プロジェクト・アルファ」、大衆やマスコミがいかに騙されやすいかを示した「カルロス事件」など、大がかりで派手な計画を数多く実行している。

96年には、国際天文学連合によって小惑星に「(Asteroid)3163 Randi」と命名された。同じ年、フロリダにジェイムズ ・ランディ教育財団を設立。自分の目の前で超能力を示すことができれば、1億円をくれてやるという太っ腹な企画を行っており、大きな注目を集めている。(この企画は2010年3月6日に終了予定)


とりあえず、こんなところです。ランディといえば、サイコップ主催のアンケート投票で、「20世紀の傑出した懐疑論者10傑」の第1位に選ばれるくらいの人ですから、欧米の懐疑論者の間では抜群の知名度があります。(日本では翻訳本が一冊しかなく、海外に比べると劣りますが、それでも過去に何度かテレビ出演しているので、ご存じの方もいると思います)

この人はとにかく行動力抜群で、やることは派手、タイプ的にはフーディーニと似ていますね。海外ではランディみたいな懐疑論者は「デバンカー」(debunker/正体暴露者)と呼ばれるのですが、これは蔑称でもあるのでランディ本人はそのように呼ばれることを嫌っているようです。マサチューセッツ工科大学での講演では、自らは「Investigator」(インヴェスティゲーター/調査者)であると語っています。

ところが調査者として重要になる情報の精度はというと、これが意外にもけっこうミスが多いんです(^^;)。また、カール・セーガン曰く「怒れる男」というくらいの人なので、霊能力者たちには敵意を全面に出すこともありますし、実際、イカサマ師に対しては必要以上に叩きのめそうとする傾向があります。

ただし、そういったマイナス面もありながら、それを補って余りある抜群の実績がランディにはあるんですね。だからあえて例えるなら、「三振の多いホームランバッター」みないなイメージかもしれません。

可能ならここで彼がやってきたことを個別に紹介したいところですが、長くなりすぎてしまうので別の機会に紹介したいと思います。