メテペック・モンスターについての追記と訂正

本城です。

先日、録画してありましたディスカバリー・チャンネルの「宇宙人のミイラ」という番組を視聴したところ、メテペック・モンスターについての特集が組まれており、新たな情報がわかりました。

写真引用元:「’Alien baby’ stumps experts – is it just an elaborate hoax?」『Bild』27. 08. 2009

メテペック・モンスターとは、メキシコで発見されたエイリアンのような怪生物のミイラのことで、『謎解き超常現象Ⅳ』でも取り上げたものです。(担当は私)

今回、記事では取り上げられなかった情報が新たにいくつかわかりましたので、以下で報告と訂正を行う次第です。

●イギリス、インペリアル大学のドナルド・クイック(Donald Quicke)教授が、X線や3Dスキャン画像から生物種の特定を試みる。教授は次のように語る。

「この生物の歯を見ると、面白いことに人間と同じく門歯が上下とも2対ずつあります。犬歯は各一対で、牙としてはあまり大きくありません。小臼歯は上下とも左右に3本ずつあります。3本あるのは新世界ザルといって、アメリカ大陸のサルの特徴です」

次にX線写真から頭骨と背骨を調べる。

「頭骨と背骨がつながる穴はリスザルの場合、かなり前寄りです。メテペックの生物も同じで、背骨をたどると頭骨の穴は後頭部から離れています。南米のサルはもっと後頭部に近いので、この生物は若いリスザルだと思います」

●その後、第一発見者のヌニェスが、新たにディスカバリー・チャンネルのインタビューに応じ、次のように語る。

「2006年か2007年に僕が作りました。昔、動物園で働いていた時、剥製用のサルが届きました。面白そうだったので剥製を作っていたら、生きているように見せたくなり、ネズミ捕りに挟みました。そしてマリオさんが来たんです。彼はものすごく驚いて写真を撮り、皆を呼びに行きました。UFO研究家のハイメにも連絡していました」

●使用したサルは、ミミナガコモンマーモセット(Buffy tufted Marmoset)だという。

●同じ頃、メテペック・モンスターの現所有者であるハイメ・マウサン同意のもと、最後のDNA検査が行われる。これまでの検査ではヌニェスが施した液体処理の影響で一定の結果が出ていなかったものの、最後の検査では三つの検体を用い、決着をつけることになった。

●検査はイギリスの法科学機関が実施。その結果は、コモンマーモセット(common marmoset)、または近縁種と一致するというものだった。

●ミミナガコモンマーモセットのDNAはコモンマーモセットとほぼ同じ。ヌニェスの新証言と合わせると、メテペック・モンスターの正体は、ミミナガコモンマーモセットということになる。

番組での情報は以上です。私の方でも調べたところ、ミミナガコモンマーモセットは、別名シロミミマーモセットともいい、コモンマーモセットの亜種に分類されることがあるくらい、この二つはかなり近い種だということがわかりました。

ちなみに、記事で正体として紹介したリスザルは、同じ広鼻類に属します。広鼻類とは、いわゆる新世界ザルとも呼ばれるグループですが、リスザルとミミナガコモンマーモセット(シロミミマーモセット)では、同じグループに属してはいても種は異なります。

ヌニェスの新証言と最後のDNA検査の結果を考えますと、正体はリスザルではなく、ミミナガコモンマーモセット(シロミミマーモセット)である可能性が高いと言えます。よってここにお詫びの上、訂正致します。

なお、ヌニェスが当初、リスザルと話していた理由については推測するしかありませんが、もともとメキシコでの調査ではリスザルだという専門家の意見がいくつか出ていたため、それに同意するかたちで話したのかもしれません。

しかし新たなインタビューでは、嘘発見器までつけられていました。そのため、より正確に答えることにしたのかもしれません。いずれにせよ、正体についての新たな情報は、『謎解き超常現象Ⅳ』でも増刷がありましたら追記する予定です。

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