こんにちは、蒲田です。

まずは動画をご覧ください。かなり不思議な動画ですよね。これは『エイムズの部屋』と呼ばれているものです。

錯視の一種ですね。本当は部屋自体がゆがんでいるのですが、脳は部屋が歪んでいないと判断してしまっているため、人が大きくなったり、小さくなったり見えているわけです。

実際に自分で作って見たい場合は、以下のようなところで、エイムズの部屋の展開図を手に入れることができます。夏休みの工作なんかにいかがでしょうか?

http://www.h7.dion.ne.jp/~tankyu/jikken/ames_dl.html(現在リンク切れ)

http://homepage3.nifty.com/maruhi/materials/amesroom/index.html (現在リンク切れ)

ここで終わっても、それなりに面白いと思うのですが、もうちょっとだけ入り込んでみましょう。

Kilpatrickという研究者の実験では、エイムズの部屋の内部を棒で触らせたり、部屋にボールを投げ入れたりということを行いました。すると、その前までは普通の四角い部屋に見えていたものが、本来の歪んだ部屋に「見える」ようになったということです。

オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』(「「見えて」いても「見えない」」の章)でも、長年目が見えなかった人が手術を行い、見えるようになったはずなのに「見えない(見えたと認識できない)」という症状が紹介されています。この人も、自分の手で見ているものを触って初めて、それがどういったもので、どんな形をしているのか認識できたといいます。

つまり、「見える」というのは、目から入った光の情報だけではダメで、色々な他の情報も使った上で初めて「見える」というわけです。単に「見る」ということだけでも、脳の中ではかなり複雑な情報処理をやっているようです。

体験談の話なんかでは、人間は「見たものをそのまま(ビデオカメラのように)記憶しているわけじゃないんだよ。」なんて話が出るときがありますが、記憶の前の「見る」ということすら、ビデオカメラとはかなり違うようですね。